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太古の塩田ゲランドから②
2009年01月31日

フランスのブルターニュ地方、大西洋に突き出す最果ての半島に
ゲランド塩田はあります。
ガイド役を務めるエマニュエルさんのお話に引き込まれ、
午後のゲランドの光と風を全身で味わいました。

「今の塩田のはじまりは9世紀。
この海岸にたどり着いたキリスト教の僧侶が
この遠浅の砂州が塩つくりに向いていると直感しました。
地域をあげての大プロジェクトの始まりです。
こつこつと粘土をこねて畦をつくり、田の底にも粘土を塗り、
そこに潮を導き入れ、蒸発と結晶を待ちます。
毎日塩田を見て回り、潮の量を調節し、次第に塩分濃度を濃くして行き、
太陽と風が一番活躍する夏に収穫の時期を迎えます。
その後一帯は、ヨーロッパ各国との塩交易で栄えに栄えました。
塩職人の数も数千人いたようです。
ところで、塩田は手入れを怠ると、
たちまち荒れてしまいます。
冬の間に畦や田底を補修して春を待つんですよ。」
そうか、1000年以上も、この塩田は毎年補修され
収穫されてきたんだ!
悠久の時を超えて・・・という表現がぴったり。
ここは廃墟でも、遺跡でもない、生き続けている畑。
1000年を超えた今も、ひとの手で大切に育てられながら
働く塩田。
ゲランド塩田が持つ魅力、一言で表現すれば
「永遠・無限」
人は自然の「手入れ役」くらいの、ちっぽけな存在ですねー。
続く・・
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